最前線の兵士、戦意の源は ISISとその敵対勢力に聞く

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宗教的・精神的価値への傾倒が、多大な犠牲をいとわぬ心理につながるという

宗教的・精神的価値への傾倒が、多大な犠牲をいとわぬ心理につながるという

「彼らにとっては、本人たちが言うところの『心の中で感じるもの』こそが特に重要なのだ。中にはそれに対して実に深く傾倒している者もいる」とアトラン氏は述べた。そのうえで、クルド人兵士やISISと戦っている他の兵士にも同じ特徴が見られたと付け加えた。

またアトラン氏は「この物質的な世界で、われわれは人間の行動の精神的側面を過小評価し、軽視してきた」とし、「しかし、それではより深い精神的、聖なる価値・美徳に動機づけられた人々に対して無防備になる恐れがある。それこそが、われわれが今直面している最大の危機だと考える」と述べた。

「彼らは自分が属する集団だけでなく、自分の家族を犠牲にすることもいとわない」(アトラン氏)

何が人を戦闘や死に駆り立てるのかを検証するため、調査チームは捕らえられたISISの戦闘員やPKKのメンバーを対象に2015年に行った聞き取り調査の結果を分析した。

そして今回の新たな調査で、研究者らは2016年の2月から3月にかけて定量現地調査を実施し、クルド人部隊「ペシュメルガ」並びにクルド人自治政府(KRG)の兵士19人、イラク軍のクルド人兵士17人、スンニ派アラブ人戦闘員20人(いずれもISISと戦っている)に対し、自分の信じる価値のためには多大な犠牲をもいとわないというその心理について尋ねた。

これらの聞き取り調査の多くは、戦争の最前線で実施された。

彼らは聞き取りの中で、犠牲の例として、自らの死、家族の苦しみ、民間人の殺害、自爆攻撃、女性や子どもたちへの拷問を挙げた。

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