人種差別に「無条件の非難を」、国連委が米政府に呼びかけ
(CNN) 国連の人種差別撤廃委員会は24日までに、米政府と政治指導者らに対し、「明白にかつ無条件で」人種差別によるヘイトスピーチや犯罪を拒絶し非難するよう呼びかけた。同委は世界各国の専門家18人で構成され、人種差別撤廃条約の履行状況を監視する機関だ。
トランプ米大統領を名指しすることはなかったものの、人種差別による暴力などの行為を「政治の最高レベル」が「明白に拒絶し非難しないこと」について批判した。
バージニア州シャーロッツビルでの事件を受け、同委は米当局に対し、全面的な捜査と「そうした人種差別の事例が増えていることの根本原因に対処する」ことを求めた。
同委はまた、「人間の尊厳と平等という人権の主要原則を認めない人種差別的な白人至上主義の考えやそれに類似したイデオロギーが存在できる場所が世界にあってはならない」と述べた。
同委のアナスタシア・クリックリー委員長は「私たちは米政府に対し、特にアフリカ系や民族的少数派、民族・宗教的少数派や移民を狙った人種差別的な現象について全面的な捜査を行うよう求める」と述べた。
同委は米国に対し、表現の自由や平和的な集会の自由といった人権が、他者の権利を破壊もしくは否定する目的で利用されないよう、またそうした権利が人種差別的なヘイトスピーチや犯罪を助長する目的で乱用されることのないよう対処を求めた。