「パスポート写真でヒジャブ禁止を」、議員が主張 スイス
(CNN) スイスの政治家がこのほど、パスポートや身分証明書の写真でイスラム教の女性が髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用を認めるべきではないと発言して波紋を呼んでいる。
右派政党、スイス国民党のバルテル・ボブマン下院議員がスイス紙ブリックとのインタビューで語った。こうした写真では帽子を着用できないのに、ヒジャブが認められている現状は「受け入れられない」と主張。「宗教の自由でなく、法の下の平等にかかわる問題」との見方を示した。
スイス警察の指針は、パスポートや身分証明書の写真で頭や顔を覆うことは「医学的、宗教的な理由」を除いて認めないと規定している。英国や米国でも同様に、頭を覆ったパスポート写真は宗教的理由がある場合に限って容認されている。
ボブマン氏はこれまでも、頭からつま先まで全身を覆うイスラム教徒女性の衣装「ブルカ」着用や、イスラム寺院の尖塔(せんとう)建設に対して反対意見を唱えてきた。
欧州ではイスラム教徒の女性の服装をめぐり、目以外の顔を覆う「ニカブ」を禁止する動きなどが広まっている。フランスの一部地域では最近、新たに全身水着「ブルキニ」の着用が禁じられた。