「涙は不要、行動を」 シリア激戦地の医師団、米政府に訴え

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アレッポ東部の病院。周辺での爆撃を受け、新生児を施設の地下へ避難させた

アレッポ東部の病院。周辺での爆撃を受け、新生児を施設の地下へ避難させた

(CNN) 「涙も同情も祈りも不要。必要なのは行動だ」。シリア東部の激戦地アレッポで活動する医師15人が12日までに連名でオバマ米大統領に宛てた書簡を公表し、現地の窮状を訴えて具体的な行動を要請した。

アレッポでは反体制派が1カ月に及んだ政府軍による包囲を破ったが、まだ平和には程遠い状態が続く。市民は戦闘に巻き込まれて身動きできず、基幹インフラは破壊され、人道支援物資の供給は限られている。

15人の医師たちは、今もアレッポに残る30万人のために、負傷者や病人の手当てを続ける。書簡では米国の対応について、「包囲を解除させようという努力も、市民を守るために影響力を行使しようという姿勢さえも見られない」と批判した。

アレッポ東部は2012年から反体制派が支配してきたが、政府軍に包囲されて支援物資の供給ルートは断たれ、非政府組織(NGO)のシリア人権監視団によれば、80日間続いた戦闘で市民を中心に6000人以上が死傷した。

「私たちが最もつらいのは、誰を生かし、誰を死なせるかを選ばなければならないことだ。幼い子どもたちが重傷を負って救急室に運ばれてくれば、可能性が大きい方を優先せざるを得ない。助けるための機材がないこともある」。そう医師団は伝えている。

「2週間前、爆発で保育器への酸素の供給が断たれ、新生児4人が空気を求めてあえぎながら窒息死した。まだ始まったばかりの命が終わった」

「それでも私たちはここにいることを選び、助けを必要とする人たちを助けると誓った」

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