「ロシア軍関与の証拠」 ウクライナが写真を提出
ウクライナ・スラビャンスク(CNN) ウクライナ政府が欧州安全保障協力機構(OSCE)に対し、ウクライナ東部の混乱にロシア軍が関与していることの裏付けとする写真を提供したことが分かった。
CNNは21日にこの写真を含む資料を入手。写真を見たウクライナの複数の当局者は、ロシア軍の「破壊偵察隊」を写したものだと述べ、ロシアが同国内で組織的に行動している証拠だと話している。一方、ロシア政府はウクライナ東部の混乱への関与を否定している。
写真には銃を持ち、緑の制服を着た男性が写っている。ウクライナ当局者によると、東部クラマトルスクの警察署襲撃やスラビャンスクの行政庁舎占拠にかかわった武装集団のメンバーを写したものとされ、クリミア半島で撮影されたロシア兵の写真や、2008年にグルジアに進攻したロシア部隊の写真に似ているという。
ウクライナの治安当局は先週も、ロシア軍の関係者1人と、ロシアのスパイとされる女1人を逮捕したと話していた。
ウクライナ政府は、ロシアが同国東部に部隊を派遣して対立をあおっていると主張。今回の写真はその事実を裏付けるものだとしている。
欧米諸国もロシアが関与しているとの見方を強め、米国務省のサキ報道官は21日、「ロシアとウクライナ東部の一部武装集団との関係については国際社会で広く一致する見解がある。ウクライナが先週提示した写真によって、それが一層裏付けられた」と語った。
一方、ロシア政府はウクライナ東部の混乱への関与を否定しており、ロシア外務省は、ウクライナや欧米はあらゆる理由でロシアを非難しようとしていると反論した。