地図で見るウクライナ

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ウクライナがほぼ10年ぶりの政情不安に陥っている。欧州連合(EU)との貿易協定をめぐる議論に端を発した反政府デモは、親ロシアのヤヌコビッチ大統領の追放という事態に発展し、首都キエフに新政権が樹立された。ウクライナはロシアと欧州の境界に位置する最大の国で、これまで双方の影響を強く受けてきた。下の地図は、言語や大統領選の結果からみたウクライナの分断を示している。

言語

国民の7割は公用語のウクライナ語を話すが、ロシア語も広く使われている。ロシア系住民が多数を占める東部や南部クリミア半島などでは、ロシア語が第一言語というケースが多い。クリミア自治共和国の首都シンフェロポリでは2月27日、ウクライナ新政権の発足に対して激しい抗議デモが起きた。クリミア半島はヤヌコビッチ前大統領の支持基盤で、南部セバストポリにはロシア軍の黒海艦隊が駐留している。

出典: 2001 Ukraine Census

2010年大統領選

激戦となった2010年の大統領選では、親ロシアのヤヌコビッチ氏が小差で親欧州のチモシェンコ元首相を破った。ヤヌコビッチ氏が東部で大きな支持を集めたのに対し、西部のほとんどの地区ではチモシェンコ氏が支持された。

出典: Ukraine Central Election Commission

天然ガスパイプライン

ウクライナという国が世界的に重要視される理由のひとつは、地理的条件にある。米戦略国際問題研究所(CSIS)のロシア外交などに詳しいジェフェリー・マンコフ氏によると、欧州は現在、天然ガスの約4割をロシアに依存しているが、このうち半分がウクライナのパイプラインを通して供給される。

ウクライナ自体の依存度はさらに高く、ヤヌコビッチ政権はロシアから天然ガスの大幅値下げへの同意を取り付けていた。しかしロシアはこれまでに何度か、ウクライナとの対立で供給を停止したことがある。今回また供給が止まれば、企業や一般家庭の燃料費は高騰する恐れがある。

出典: National Gas Union of Ukraine

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