3年連続で氷河の決壊、洪水に警戒呼びかけ 米アラスカ州
(CNN) 米アラスカ州で氷河の決壊が発生し、3年連続となる記録的な洪水の発生が予想されるとして、当局が警戒を呼びかけている。
州南東部ジュノーの当局は12日、スーサイド盆地で氷河の決壊があり、メンデンホール湖とメンデンホール川の流域で12日から13日にかけて洪水の発生が予想されると発表した。浸水が予想される地域の住民に対しては避難を呼びかけている。
氷河湖の決壊は、雪解け水や氷、雨水で湖の水位が上昇し、流出をせき止めている氷河を突き抜けて、バスタブの栓を抜いたような状態で一気に水が押し寄せる現象。今回の場合、ジュノーの西側に位置するスーサイド盆地とメンデンホール氷河でこの現象が起きた。
米国立気象局(NWS)も12日午前、同地に洪水警報を出し、市の西側を流れるメンデンホール川の増水が予想されるとして注意を呼びかけた。川の水位は昨年8月の記録を大幅に上回る勢いで上昇している。
メンデンホール湖とメンデンホール川流域およびスーサイド盆地で氷河の決壊が起きている
ジュノーでは昨年も氷河の決壊で記録的な洪水が発生し、住宅100棟以上が被災した。この時の水位は、やはり氷河の決壊で洪水が発生した23年8月の水位を大幅に上回っていた。
市は24年の洪水で浸水した地域に堤防を設置したと説明。現時点でこの地域に避難命令は出されていないものの、当局は洪水が予想される地域の住民に対し、水位がピークに達する前に避難するよう呼びかけている。
アラスカ州のマイク・ダンリービー知事は10日、洪水の発生を見越して災害宣言を出した。