国籍の「出生地主義」修正する米大統領令、再び差し止め 連邦地裁
ニューハンプシャー州コンコード(CNN) 米東部ニューハンプシャー州の連邦地裁は10日、米国で生まれればほぼ無条件で米国籍を得られる「出生地主義」を大幅に制限するトランプ大統領の大統領令について、発効を全米で一時的に差し止める命令を出した。
出生地主義を修正する大統領令をめぐっては、複数の連邦地裁が全米で一時的に差し止める命令を出した。だが最高裁が先月、これらの差し止め命令の全国適用を制限する判断を示した。その一方で集団訴訟を通じて全米での適用の阻止を求める道は残されていた。
集団訴訟は米自由人権協会(ACLU)が起こした。ニューハンプシャー州の連邦地裁のラプランテ判事は、協会側が求めた「市民権を剥奪された者のみで構成される」全国的な集団の認定を受け入れ、集団訴訟として認めた。そして2月20日以降に生まれた乳児に対する大統領令の適用を阻止する差し止め命令を出した。
政権側に控訴の猶予を与えるため、差し止め命令は7日後に発効する。
ラプランテ氏は2月、出生地主義を修正する大統領令は米国憲法修正14条に反しているなどとして、いくつかの非営利団体のメンバーに対してのみ大統領令の適用を差し止めた。
ラプランテ氏は10日の審理で「全国的な差し止め命令を出すことに抵抗があったが、集団訴訟は異なる」と述べ、集団訴訟の方が良い選択肢であることを最高裁が示唆したとの見解を示した。
今回の判断について、ACLUの弁護士は声明で「大きな勝利であり、憲法が意図した通り、米国で生まれたすべての子どもたちの市民権を守る助けになる」と述べ、歓迎した。