トランプ氏、リベリア大統領の「流暢な英語」を称賛 英語は公用語なのに…批判の声

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トランプ氏、リベリア大統領の「流暢な英語」を称賛 英語は公用語

(CNN) トランプ米大統領がアフリカ5カ国の首脳と行った9日の会談で、リベリアのボアカイ大統領の英語力を称賛する場面があった。だが、ボアカイ氏は英語を公用語とするリベリアで教育を受けた人物だった。

トランプ氏はホワイトハウスにアフリカの首脳5人を迎えた際、ボアカイ氏に「とても流暢(りゅうちょう)できれいな英語だ。どこで学んでこれ程きれいに話せるようになったのか」と尋ねた。

ボアカイ氏が教育を受けた場所を伝えると、トランプ氏は「それは大変興味深い」と述べ、「このテーブルの同席者の中には、あなたの英語に遠く及ばない人もいる」と言い添えた。

リベリアは1822年、解放奴隷をアフリカに再定住させる目的で米国植民協会が建設した。47年に米国植民協会からの独立を宣言し、現在では様々な言語が使用されているものの、公用語は英語だ。

アフリカ諸国を侮辱したトランプ氏の過去の発言や、米国植民協会が残した植民地主義の遺産を踏まえ、リベリア国民からはトランプ氏の発言に不快感を示す声が上がった。

若者支援の活動を行うリベリア人のアーチー・タメル・ハリス氏はCNNの取材に、「わが国は英語圏なのに侮辱された気分だ」と語った。

「彼があの質問をしたのは褒め言葉ではない。トランプ氏や西洋人はいまだにアフリカ人を無学な村人と見なしているように感じる」

匿名希望のリベリアの外交官もCNNに対し、今回の発言は「適切ではなかった」との見方を示し、「英語圏出身のアフリカの大統領に対して、やや見下した発言だった」と付け加えた。

CNNはホワイトハウスにコメントを求めている。

一方、リベリアのニャンティ外相はCNNに対し、大統領の観点からは「気分を害する点はなかった」とし、「アフリカ大陸の言語的境界や言語人口を理解していない人は多い」と指摘した。

さらに「トランプ大統領はリベリア英語に残るアメリカ英語の影響を聞き取ったのであって、それによってリベリアの大統領が気を悪くすることはない」と説明。「周知のように、英語には様々なアクセントや形がある。トランプ氏がアメリカ英語に由来する我々の独特のイントネーションを聞き取ったのは、単になじみのある英語を認識したということに過ぎない」としている。

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