トランプ氏、EUとの「合意求めず」 50%関税ちらつかせた後に発言

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トランプ氏が新たに「提案」した関税は、EUに対する当初の20%の「相互」関税の2倍超に上る/Sean Gallup/Getty Images

トランプ氏が新たに「提案」した関税は、EUに対する当初の20%の「相互」関税の2倍超に上る/Sean Gallup/Getty Images

(CNN) トランプ米大統領は23日、現状の貿易交渉に進展がないことを理由に、欧州連合(EU)からの輸入品に対して50%の関税を課すと警告した。

トランプ氏はSNSトゥルース・ソーシャルに、「EUの強力な貿易障壁や付加価値税(VAT)、企業へのばかげた罰則、非関税貿易障壁、通貨操作、米国企業に対する不当で根拠のない訴訟などによって、米国の貿易赤字は年間2億5000万ドル(約356億円)を超える規模に膨らんでいる。この数字は到底容認できない」と投稿した。

さらに「彼らとの協議は進展していない!」「従って、2025年6月1日からEUに対して一律50%の関税を課すことを提案する」と書き込んだ。

だがこの後、トランプ氏はホワイトハウス執務室で大統領令に署名した際に、EUへのメッセージを一段と強めた。

「私は合意を求めていない」とトランプ氏は発言。「取引はまとまっている。50%だ」とした。

一方で、6月1日の期限については先送りに含みを持たせ、「もし誰かが訪問してきて米国に工場を建設したいと言えば、多少の延期について話すことはできる」と語った。

欧州委員会のギル報道官はシェフチョビッチ欧州委員(通商担当)やグリア米通商代表部(USTR)代表と電話で話すまで、当面コメントを差し控える方針を示した。

ギル氏は通話の日時を具体的に明かさなかったものの、ロイター通信は米東部時間23日午前11時に行われる予定だと報じた。USTRの報道官からコメントは得られなかった。

トランプ氏の投稿の直後、ベッセント財務長官はFOXニュースとのインタビューで、「EUの提案は他の重要な貿易パートナーと同様の質に達していない」と認識を示した。

ベッセント氏は「テレビで交渉するつもりはないが、これでEUに火がつくことを期待する」と述べ、「EUは集団的な行動に問題を抱えている」と付け加えた。

トランプ氏の投稿を受け、欧州の3大株式市場の指数は急落。ベンチマークとなるSTOXX600指数は1.7%下げ、ドイツのDAXは2.4%、フランスのCACは2.2%、ロンドンのFTSEは1%下落した。

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