トランプ氏狙った被告、大統領選候補者への暗殺未遂で無罪を主張
フロリダ州ウェストパームビーチ(CNN) トランプ前米大統領を暗殺しようとしたとして起訴されたライアン・ウェズリー・ラウス被告が9月30日、大統領選の主要候補者に対する暗殺未遂の罪で無罪を主張した。検察によれば同被告は1カ月以上にわたってトランプ氏をこっそり追跡し、同氏の所有するゴルフコースに設置されたフェンスの外から狙撃の機会を狙っていたという。
同被告はこれ以外にも違法な銃所持や当局者への襲撃など計5件の罪に問われているが、それらの全てについても無罪を主張。判事に対し、自身への罪状について理解していると告げた。
検察によるとラウス被告は同月15日、ソ連製のライフル銃でトランプ氏がプレーしていたゴルフ場の6番ホールのグリーンに狙いを定めていた。先行して警護に当たっていた大統領警護隊(シークレットサービス)の要員に発見されたが、後数分遅ければトランプ氏が銃の照準線に入るタイミングだったという。
7月の選挙集会でトランプ氏に発砲したトーマス・マシュー・クルックス容疑者と異なり、暗殺未遂とみられる行動に出たラウス被告については捜査官が動機に関連すると思われる情報を数多く入手している。事件前にはトランプ氏の暗殺未遂に言及した手紙を書いていたとされる。
手紙には暗殺が失敗することを予期したような記述があるほか、トランプ氏が「子どものようにイランとの関係を終わらせ、今や中東は崩壊した」とも書かれている。
ラウス被告の裁判の担当判事には、州連邦地裁のアイリーン・キャノン判事が無作為に選ばれた。トランプ氏が任命したキャノン氏は、機密文書の不適切な扱いを巡るトランプ氏に対する裁判を担当、後にこれを棄却した。機密文書裁判に関しては、トランプ氏の弁護士が同氏を訴追したジャック・スミス特別検察官の任命の合法性などについて異議を唱えていた。