トランプ氏、ゼレンスキー氏と会談 ウクライナ・ロシア戦争の「公正な取引」を約束
(CNN) トランプ前米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は27日、米ニューヨークで会談した。トランプ氏は自身が11月に行われる大統領選に勝利すれば、ロシアとウクライナの和平協定をまとめる用意があると述べ、ゼレンスキー氏の隣に立ちつつも、ロシアのプーチン大統領との良好な関係を強調した。
会談以前から両氏は互いに批判的だったが、会談前に行われた記者との質疑応答の場でも両氏の間の緊張は明らかだった。
トランプ氏は「我々は非常に良好な関係を築いているが、ご存知のとおり、私はプーチン大統領とも非常に良好な関係を築いている。我々が勝利すれば、この問題を非常に迅速に解決できると思う」と語った。
これに対しゼレンスキー氏は「我々の関係がさらに良好なものになることを望んでいる」と応じた。
トランプ氏は、米国によるウクライナへの資金援助について繰り返し不満を述べており、両国間の戦争をすぐに終わらせると主張している。一方でゼレンスキー氏は今週、トランプ氏はどのようにしてこの戦争を終わらせるのか分かっていないと述べた。
トランプ氏は座って話し合いを行うことで、双方にとっていいように解決できると思うし、ゼレンスキー氏もそれを分かっていると述べ、「彼は何かを成し遂げたいと思っている。彼はこんなことはしたくないのだ」と語った。
ゼレンスキー氏は、前回の会談から5年が経過したことを振り返りながら、トランプ氏が会談に応じたことに感謝し、プーチンを阻止しなければならないという共通の見解を持っていると信じていると述べた。
会談終了後、トランプ氏とゼレンスキー氏はそろってFOXニュースに出演した。トランプ氏が公正な合意は可能であり、迅速に行えるとの考えを繰り返す一方で、ゼレンスキー氏はロシア軍をウクライナから完全に撤退させる必要があると明言した。
トランプ氏は「多くのことを学んだが、我々はふたりともこの戦争を終わらせたい、公正な取引が成立することを望んでいるという立場は変わっていないと思う」と語った。
トランプ氏は「プーチン大統領は戦争を止めたいと望んでいると確信している。これは良い組み合わせだ。だから、我々は誰にとっても公正な取引をしたい」と続けたが、「公正」という言葉で何を想定しているのかと問われると、「それを言うのは時期尚早だ」とかわした。
「私には私の考えがあり、ゼレンスキー大統領も間違いなく自分の考えを持っているはずだ。ただ、公正な内容にする必要がある」とも述べた。
ゼレンスキー氏はプーチン氏がウクライナ領土を侵略したことを指摘しながら、これに同調した。
「この戦争は始めるべきではなかった。プーチン氏が多くの人を殺害したことが問題だと思う。もちろん、我々はこの戦争を止めるよう彼に圧力をかけるためにあらゆることをする必要がある」とゼレンスキー氏は語った。
トランプ氏は、ゼレンスキー氏が「これは決して起こるべきではなかった戦争だ」ということを「最もうまく言った」と述べ、今後の両氏の再会談は「十分に起こり得る」と語った。
ゼレンスキー氏は26日、ホワイトハウスでバイデン大統領とハリス副大統領と会談した。大統領選の民主党候補であるハリス氏はウクライナ問題についてトランプ氏とは対照的な立場を示した。
ハリス氏は「我が国の中には、ウクライナに主権領土の大部分を放棄するよう強制し、ウクライナに中立を受け入れ、他国との安全保障関係を放棄するよう要求する者がいる」と批判した。