アラスカ沖に「スパイ気球」か、米国防総省が調査
(CNN) 米国防総省は6日、アラスカ州の沖合で漁船が発見した気球の残骸について、「スパイ気球」だった可能性もあるとみて調べていることを明らかにした。
国防総省報道官は「気球がアラスカ沖にあった理由は不明で、現時点で性格付けはしない。だが複数機関で詳しく調べ、出所や目的を解明できればと思う」とCNNに説明した。
この気球は現在、アラスカ州のエルメンドルフ・リチャードソン統合基地にある。漁船が発見した残骸が気球だったことを米政府が公式に認めたのは初めて。
アラスカ州沖で操業していた漁船は数日前、不審物を発見したとして当局に通報。写真を見た当局者がスパイ気球の疑いがあると判断し、米連邦捜査局(FBI)が帰港した漁船の乗船者から事情を聴いた。
その結果、外国政府の偵察気球に酷似していることが分かり、さらなる捜査が必要と判断した。
偵察気球の存在を米政府が認識するようになったのは昨年からだった。針路を外れたとみられる中国の偵察気球は、アラスカ上空から米国の領空に侵入し、米大陸の上空を横断。最終的に米政権の判断で撃墜された。
この気球について米政府は、中国軍が集中的に行っている偵察行動の一環だったと見ている。