歩行者が自動運転車の下敷きに、最初にはねたのは別の車 米サンフランシスコ

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重傷を負った女性は自動運転車の下敷きになった状態で見つかった/KGO

重傷を負った女性は自動運転車の下敷きになった状態で見つかった/KGO

(CNN) 米サンフランシスコ市内で2日夜、重傷を負った女性がドライバーのいない自動運転車の下敷きになった状態で見つかった。しかし最初に女性をはねたのは別の車だった。

自動運転車はゼネラル・モーターズ子会社のGMクルーズ社が運行していた。同社からCNNに提供された映像によると、衝突したのはこの自動運転車が2台目で、歩行者は信号を無視して交差点を横断していた。

クルーズ社はサンフランシスコ当局による捜査が続いていることを理由に、この映像を一般には公開していない。

サンフランシスコ消防局は3日、女性は重傷を負って生命が危ぶまれる状態にあると語った。

クルーズ社の広報によれば、同社の自動運転車の左側の車線を走行していた人の運転する車が歩行者をはね、衝撃で歩行者が自動運転車の前に跳ね飛ばされた。自動運転車は急ブレーキをかけて衝撃を抑えようとした。最初に歩行者をはねた車のドライバーは現場から逃走したという。

自動運転車は前方と左側のカメラでこの瞬間の映像をとらえていた。同車は交差点の赤信号で容疑者の車の右側に停止し、信号が青に変わると2台とも交差点に進入した。2台が横断歩道に近付いたところで、横断歩道を渡る女性の姿が見えた。女性はドライバーが運転する緑色の車をよけきれず、ぶつかってボンネットの上に跳ね飛ばされ、ルーフの上を転がって同車の右側の道路に転落。自動運転車は目の前の道路に女性が落ちた直後にブレーキをかけ、女性の上で停止した。女性が前輪にひかれたのか、それとも車の下敷きになっただけなのかは、この映像からは分からなかった。

現場には担当者が即座に駆け付け、捜査に協力したとクルーズ社は説明。自動運転車は無人だったが、カメラの映像や各種の計測データが捜査の役に立つかもしれないとしている。

消防隊は油圧救助器具を使って車を持ち上げ、女性を車の下から救出した。

女性はサンフランシスコ市内の病院で手当てを受けており、事故についてはサンフランシスコ警察が捜査している。

サンフランシスコ消防局によると、同局の管内で自動運転車による重傷者が出た事故は初めてだった。

カリフォルニア州は先月、サンフランシスコ全域で、自動運転無人タクシーの24時間年中無休営業を認めた。

しかしクルーズ社の自動運転車は交通渋滞や衝突事故を引き起こすとして問題になっていた。消防車を巻き込んだり、建設現場の未乾燥コンクリートに突っ込んだりした事故もあった。

サンフランシスコ消防局によると、自動運転車が絡む事案は今年に入って83件発生しているが、人にけがをさせる事故ではなく、消防局の作業の妨げになる事案がほとんどだった。

クルーズ社はカリフォルニア州の要請に応じ、対策を講じる間、車両の数を50%減らすことに合意している。

自動運転車の運行事業にはかつて大手が相次いで参入したが、その後多くは規模の縮小や撤退を強いられた。

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