宇宙ごみ捜査で米衛星テレビ会社に初の罰金 米FCC

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住宅の屋根に取り付けられたディッシュのロゴのある衛星受信アンテナ=7月31日、米カリフォルニア州クロケット/David Paul Morris/Bloomber/Getty Images/FILE

住宅の屋根に取り付けられたディッシュのロゴのある衛星受信アンテナ=7月31日、米カリフォルニア州クロケット/David Paul Morris/Bloomber/Getty Images/FILE

(CNN) 米衛星テレビ会社のディッシュ・ネットワークが衛星の適切な廃棄を怠ったとして、米連邦通信委員会(FCC)が15万ドル(約2240万円)の罰金を命じた。宇宙ごみに対して米連邦当局がこうした処罰を科すのは初めて。

FCCは2日、ディッシュに対する捜査が決着し、罰金と同社による「責任の認定」につながったと発表した。

これに対してディッシュは声明を発表し、問題とされたのは2002年に打ち上げられた古い衛星で、最低廃棄軌道を求めるFCCのルールの対象外だったと強調。この衛星が安全上の懸念を生じさせるとはFCCは主張していないと述べ、ディッシュには「大型衛星群を安全に飛行させてきた実績があり、FCCの免許事業者としての責任を真剣に受け止めている」とした。

宇宙ごみは衛星の運用にとって差し迫った問題になりつつある。地球の軌道上には、1センチを超す制御不能の宇宙ごみが70万近くあると推定されている。

こうした物体は衛星や国際宇宙ステーション(ISS)に衝突したり、宇宙ごみ同士で衝突したりする危険がある。厳格な宇宙ごみ対策勧告の順守は最近まで、大部分が衛星業界の自主規制に委ねられていた。

FCCのディッシュに対する捜査の対象となっていたのは、02年に地球の上空約3万6000キロの静止軌道へ打ち上げられた「エコスター7」と呼ばれる衛星。FCCは12年、運用空間の約300キロ上空で同衛星を引退させる廃棄計画を承認した。機能しなくなった衛星を、運用中の衛星と衝突するリスクのない墓場軌道へ移動させる計画だった。

しかしFCCによると、ディッシュがこの衛星に十分な燃料を残さなかったために計画が実行できず、エコスター7は機能しなくなった状態で静止軌道内の運用空間の約122キロ上空に取り残された。

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