在日米兵が死亡事故で服役、家族がバイデン政権に介入求める

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日本で車を運転中に死亡事故を起こした米海軍兵のアルコニス受刑者/US Navy

日本で車を運転中に死亡事故を起こした米海軍兵のアルコニス受刑者/US Navy

ワシントン(CNN) 日本で車を運転中に死亡事故を起こして実刑判決を言い渡された米海軍兵の家族が17日、米首都ワシントンのホワイトハウス前で抗議運動を展開し、ジョー・バイデン大統領に介入を求めた。

米海軍大尉のリッジ・アルコニス受刑者は昨年5月に日本人2人が死亡した事故に関連して自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われ、10月に禁錮3年の実刑を言い渡された。アルコニス受刑者側は判決を不服として控訴したが、先月の高裁判決で一審判決が支持された。

アルコニス受刑者側はこの事故について、家族と富士山に出かけて車で戻る途中、急性高山病にかかって運転中に意識を失ったと主張していた。この事故で85歳の女性と54歳の男性が死亡した。

高裁は、病気だったという被告側の主張を認めず、居眠り運転だったと判断した。居眠り運転で相手を死亡させた場合の法定刑は7年以下の懲役とされている。

これに対してアルコニス受刑者の家族は、過失ではなく病気だったと主張し、犯罪ではなかったと訴えている。日本の慣例に従って被害者の遺族に100万ドル(約1億3500万円)以上の慰謝料を払ったとも強調した。

妻のブリタニー・アルコニスさんは17日、「私たちが不公平だと思っているのは、彼のように完全和解した状況で刑務所行きになる確率は0%だと日本人の弁護士から聞いていたからだ」とCNNに語った。

慰謝料については「ものすごい高額」を支払ったとしている。

アルコニス受刑者が公正な裁判を受けられなかったと公に主張する米政府関係者の発言は伝えられていない。しかし複数の関係者によると、アルコニス受刑者を米国に連れ戻して服役させることについて、話し合いが行われているという。

アルコニス受刑者の家族や、マイク・リー上院議員(共和党)、マイク・レビン下院議員(民主党)を含む支援者はバイデン政権に対し、アルコニス受刑者を解放させる手助けに尽力するよう要求。アルコニス受刑者は逮捕後起訴されるまで1カ月近くも不当に勾留されて独房に入れられ、取り調べを受けたと主張している。さらに、アルコニス受刑者は事故後に十分な診察を受けることができなかったと主張し、診察を受けていれば高山病だったことが確認できた可能性があると訴えている。

ブリタニーさんは17日の記者会見で、「夫は医療上の緊急事態の被害者なのに、犯罪者のように扱われた」「この不公正のために最も大きな罰を受けているのは、毎日父親に会いたがっている罪のない私たちの3人の子どもです」と訴えた。

米共和党の上院議員20人は今月、岸田文雄首相に宛てた書簡で、服役しているアルコニス受刑者の国外退去を検討するよう日本政府に要請した。書簡では、事件の全容が考慮されていないと主張し、米海軍の捜査ではアルコニス受刑者は高山病のため意識を失ったと結論付けたとも言い添えた。

「同じような罪に問われた被告の95%は執行猶予が認められ、服役を免れている」と書簡では主張している。ただ、その主張の根拠は明らかにしていない。

リー上院議員によると、駐米日本大使は今週、岸田首相に代わって書簡に返答し、裁判所の判決は確定していると説明。日本政府は引き続き米側と協力して今後の対応の可能性を検討するとした。

リー上院議員は、日米地位協定に基づき日本がアルコニス受刑者を国外退去処分とする可能性があると話している。

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