地中海に展開の米空母打撃群、任務期間を延長 ウクライナ情勢で
(CNN) 米国のオースティン国防長官は2日までに、地中海に展開し、ロシアによるウクライナ侵攻を受け東欧防衛ににらみを利かせている米空母ハリー・S・トルーマン率いる打撃群の任務遂行期間の延長を決めた。
同省のカービー報道官が記者会見で明らかにした。同空母の艦載機はウクライナ侵攻が起きた後、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する東欧諸国の防衛力強化を担う航空作戦などに従事してきた。
米国防総省の当局者はこれより前、同空母は今年の8月中は地中海にとどまる可能性に言及。米空母の派遣期間は通常半年間。トルーマンは昨年12月、米東部海域から送り込まれていた。
同空母の出動期間の延長を受け、随行して打撃群を構成するほかの戦闘艦艇3隻にも同様の措置が取られた。
カービー報道官はまた、ウクライナへの軍事侵攻後に隣国ポーランドへ派遣されていた米陸軍の第82空挺(くうてい)師団の一部兵力の駐留期間も延長されると述べた。米国防総省によると、ポーランドにいる同師団の規模は兵士や支援担当要員含め約7000人。
空挺師団の派遣は、保持する即応能力が有事の際に必要不可欠と判断されたため。米陸軍は今年2月、ドイツに交代で配備されていた兵士約4000人から成る戦闘旅団の任務期間をさらに60日間追加してもいた。
カービー報道官は、ウクライナでの戦争の終わり方やその時期にかかわりなく、欧州の安全保障環境は異なる様相を示すだろうとの見方を表明。「我々はこれに対応しなければならない」とし、「欧州大陸で常駐部隊としての性格をより強めるのか、より大規模に永続的な存在感を強める必要性があるのかなどの議論に柔軟でありたい」とした。