ANALYSIS

荒れる南シナ海、米海軍は問題続きの「沿海域戦闘艦」に白羽の矢<下>

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太平洋での任務に向けサンディエゴの海軍基地を出発する沿海戦闘艦「モンゴメリー」/Muckley Photography/U.S. Navy

太平洋での任務に向けサンディエゴの海軍基地を出発する沿海戦闘艦「モンゴメリー」/Muckley Photography/U.S. Navy

「ガブリエル・ギフォーズは係争水域において象徴的な支援と局所的な軍事プレゼンスを提供できる。これにより、より高価な艦船の負担を減らしてよりダイナミックに活用したり、戦闘への高い即応性を維持したりできるようになる」。こう指摘するのは、英ロンドンの王立防衛安全保障研究所で海軍力を研究するシドハース・カウシャル氏だ。

カウシャル氏はガブリエル・ギフォーズを、今後5年で新型フリゲートの運用が始まるまでの穴を埋める「つなぎ」と形容する。海軍は20年に最初の新型フリゲートを発注した。

このコンステレーション級フリゲートは20隻が計画されており、米政府の文書によると、沿海域と外洋の両方で対空防衛や水上防衛、対潜戦、電磁戦を実施できる装備を持つ。

ただ、高額なコンステレーション級で発注済みなのは2隻のみで、実戦配備は数年先になる見通し。LCSとフリゲートのこうした状況は、太平洋における海軍のリソースがどれほど逼迫(ひっぱく)しているかを示すと、ハージンガー氏は指摘する。

同氏によると、海軍の次年度予算案に盛り込まれている水上戦闘艦は4隻、フリゲート艦は1隻のみ。

「これでは現行水準を維持することさえできない。これは縮小する海軍の姿だ」という。しかも少なくとも短期間的には、海軍はLCSに頼るほかない状況が続く。

「LCSをサンディエゴの埠頭(ふとう)に係留しておくよりはマシだろう」「我々が必要とした艦船ではないが、我々が手にしているのはこの艦だ」(ハージンガー氏)

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