ANALYSIS

荒れる南シナ海、米海軍は問題続きの「沿海域戦闘艦」に白羽の矢<上>

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フィリピン海での演習でミサイルを発射する米沿海域戦闘艦「ガブリエル・ギフォーズ」/Chief Petty Officer Shannon Renf/US Navy

フィリピン海での演習でミサイルを発射する米沿海域戦闘艦「ガブリエル・ギフォーズ」/Chief Petty Officer Shannon Renf/US Navy

(CNN) ハリス米副大統領がこのほどシンガポールで沿海域戦闘艦(LCS)「タルサ」に乗り込み、米海軍でおそらく最も意見の分かれる艦種のひとつに改めて注目が集まった。

LCSの評価は誰に話を聞くかによって異なり、「南シナ海で中国のあらゆる活動を吹き飛ばす」能力を持つ強力な海軍兵器との見方もあれば、米海軍の抱える全ての深刻な問題を象徴する艦船との見方もある。米海軍幹部は比較的水深の浅い沿岸部でのLCSのスピードや機動性を称賛するが、批判派からは兵装が限られている点や、過去に機械的な故障を起こした点を指摘する声が上がっている。

ハリス氏は8月23日夜、タルサの乗組員を前に「我々がここにいる理由は重要だ」と語り、「インド太平洋における米国のプレゼンスは現在も含め長年、平和と安全、通商貿易の自由、航行の自由、開かれた航路、ルールに基づく国際秩序の確保に貢献してきた。ルールに基づく国際秩序こそ、多くの人に多大な安全と繁栄をもたらしてきたものだ」と述べた。

米海軍指導部は、こうした理念の実現にはLCSが不可欠だと指摘する。サイズの上では、LCSはより標準的な艦種であるコルベットと比較可能な水準となる。

中国艦隊の増強や人工島での軍事施設建設をはじめ、米国が南シナ海での中国のプレゼンス拡大に直面するなか、LCSの果たす役割は今後さらに大きくなると見込まれている。

ハリス氏は24日、シンガポールで「中国政府は威圧や威嚇、南シナ海の大部分に対する領有権主張を続けている」と述べ、中国の行動を「違法」と形容した。

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