米当局者、「誤算」を認める アフガン政権崩壊で

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「サイゴンとは違う」、米国は目的を果たしたと強調 米国務長官

(CNN) 米国のブリンケン国務長官は、CNNの番組に出演し、アフガニスタンの反政府勢力タリバーンによる首都カブールへの進攻について、アフガン軍が自国を防衛することができなかったという事実を目の当たりにしていると述べ、「このことが起きたのは、我々が想定したよりも早かった」と述べた。

アフガン軍とアフガン政府の急速な崩壊は、バイデン米大統領と政権幹部にとって衝撃だった。バイデン政権は先月には、アフガン政府の崩壊には数カ月かかり、駐留米軍が撤退してから結果が現実となるまで一定の猶予があるとみていた。

米政権は当初、夏の終わりまでに米軍の全兵士2500人がアフガンから撤退するとしていた。だが、それから数カ月たった今、避難の支援のために計6000人の兵士が派遣されることになっている。

政権幹部によれば、バイデン大統領は数日内にアフガンの危機的状況について演説を行うとみられているが、演説に関する最終的な決断は下されていない。バイデン大統領はまだ、ワシントン郊外の大統領専用の山荘「キャンプデービッド」での夏季休暇を切り上げていない。

話し合われている選択肢のひとつは、バイデン大統領をホワイトハウスに戻すことだが、キャンプデービッドでの演説の可能性も完全には排除されていないという。15日には、バイデン大統領がキャンプデービッドで安全保障チームから説明を受けている様子が撮影された。

バイデン大統領に対する政治上のリスクは不透明だ。世論調査では米国人の過半数がアフガンからの撤退を支持しているほか、バイデン大統領の側近は、20年におよぶ紛争に対するバイデン氏の疲弊を国民も共有しているとみている。

だが、戦争終了時に展開するこの大混乱のシーンは、ベトナム戦争終結時の1975年にサイゴンが陥落した際の風景を想起させる。バイデン氏が今年初めに撤退を検討した際に悩まされたシーンであり、今後バイデン氏につきまとうのは確実とみられる。

すでに一部の議員からは政権に対して、どうして情報機関が現地の状況についてこれほどまでに判断を誤ったのかや、米国人や味方の避難に関するもっとしっかりとした危機管理計画が定められていなかった理由について、より多くの情報を求める声が出ている。米国を支援したアフガン人の通訳の避難などにも質問が飛んでいる。

バイデン氏はキャンプデービッドでもワシントンと同様の報告を受けられるが、危機の際にワシントンを離れている大統領の見え方を気にする当局者もいる。

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