アジア系への憎悪犯罪、1年で164%増 米大学の研究

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米国での今年1~3月期のアジア系に対する憎悪犯罪が、前年から急増した/Anthony Behar/Sipa USA/AP

米国での今年1~3月期のアジア系に対する憎悪犯罪が、前年から急増した/Anthony Behar/Sipa USA/AP

(CNN) 米カリフォルニア州立大学は8日までに、米国内の16の大規模な都市や郡内で発生したアジア系に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)の報告件数が昨年のこの時期以降、164%の急増を示したとの新たな調査結果を発表した。

同大サンバーナディーノ校の過激主義などを扱う研究センターが十数カ所の大規模な警察機関などの予備データを基にまとめた。この結果、今年の第1四半期(1〜3月)では95件の発生が判明、昨年同期は36件だった。

都市別の増加幅を見た場合、最大はニューヨークの223%増で、昨年の13件が42件に激増。サンフランシスコの140%増、5件から12件が続いた。ロサンゼルスは80%増で、5件が9件となっていた。

研究報告書は、アジア系への憎悪犯罪の最初の増加は昨年3、4両月に見られ、新型コロナウイルスの感染拡大のさなかだったと指摘。また、世界保健機関(WHO)によるパンデミック(世界的大流行)宣言やアジア系を狙った政治的あるいはオンライン上の非難が増大するなどの背景要因にも触れた。

同研究センターの責任者を務めるブライアン・レビン教授は、トランプ前大統領の言動にみられるような政治的なそしりの増加も一因と判断。トランプ氏は新型コロナウイルスを中国をやゆする字句で表現してもいた。

今年第1四半期における件数の増加について同教授は、マスク着用、ワクチン接種や経済動向について熱した議論が要因とも説明。新型コロナについて昨年広まった紋切り型の見方がアジア系への反感を新たにそそのかす土壌とも化したとも分析した。

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