バイデン氏、COVAXへの2100億円拠出を発表へ G7首脳会議で
(CNN) バイデン米大統領は19日に開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、新型コロナウイルスワクチンの共同購入と公平な分配に取り組む世界保健機関(WHO)主導の枠組み「COVAX(コバックス)」に20億ドル(約2100億円)拠出する方針を発表する。複数の政権高官が明らかにした。
富裕国がワクチンの限られた供給量を抑えるなか、低中所得国にワクチンを分配する取り組みに追い風となりそうだ。
トランプ前米大統領はCOVAXへの参加を拒んだため、米国による資金拠出は初となる。バイデン氏はまた、他国の拠出状況やワクチン供給目標の達成度合いに応じて、追加で20億ドル拠出することも約束する見通し。
政権当局者はこうした決定について、新型コロナウイルスのさらなる拡散と変異を防ぐ狙いがあると指摘する。ウイルスの拡散と変異は、国境や各国の所得水準とは関係なく起きる。
ただし、米国が既に購入したワクチンの余剰分を他国に直接供与するかに関しては、まだ決定が下されていないという。米国が直接供与に踏み切れば、世界の人々にワクチンを行き渡らせる取り組みが迅速化する可能性がある。
ロシアや中国を含む他国は自国開発ワクチンの直接供与を始めており、米政府は以前、こうした動きを懸念をもって注視していると述べていた。
COVAXは今年末までに、貧困国92カ国の人口の少なくとも2割にワクチンを提供したい考え。すでにワクチンメーカーとの間で、富裕国が供与した資金を使って20億回分を購入する契約を結んでいるが、こうしたワクチンの中にはまだ使用許可が下りていないものもある。