自由の女神で女性が座り込み、移民政策に抗議 米NY
ニューヨーク(CNN) 米独立記念日の7月4日、移民の親子を引き離す政策に抗議していた女性がニューヨークの「自由の女神」の台座によじ登って座り込み、警察とにらみあった末に拘束された。
女性は2時間近くの間、台座の上を横切ったり女神像の足元に座り込んだりしていた。当局は説得を試みたが女性が応じなかったため、命綱を付けた警官が台座に上がって女性を追い詰め、ベルトや命綱を装着させて、台座から下ろした。
ニューヨーク市警の関係者によると、女性は移民政策に抗議していた団体の一員で、子どもが全員解放されるまでは下りないと宣言していたという。
女性は拘束され、当局が不法侵入や公務執行妨害などの疑いで事情を聴く方針。
この団体は同日、女神像の台座の下で、「ICE(米移民税関捜査局)を廃止しろ」という横断幕を掲げて抗議デモを展開していた。しかし同団体によれば、女性の行動は予定外だったという。
女神像のあるリバティー島では少なくとも7人が逮捕され、観光客の立ち入りは禁止された。
同団体の代表は、移民の国、米国を象徴する自由の女神で抗議デモを行った理由について、「この国は自らを灯台と位置付けてきた。それなのに今、政府はその理想に背を向けている」と訴えた。
この騒ぎのために、自由の女神見物に訪れていた観光客はリバティー島から避難する羽目になった。観光ツアーの運営会社は、3000人もがツアーに参加できなくなったと伝えている。同社によれば、独立記念日は1年の中でも特に観光客が多く、夏の間は1日に約2万2000人が自由の女神を訪れるという。