第2回討論会から見えた7つのポイント 米大統領選

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握手なしでスタートした討論会だったが、終了後は両者が握手を交わした

握手なしでスタートした討論会だったが、終了後は両者が握手を交わした

6.トランプ氏の虚偽の主張

前回の討論会と同様、トランプ氏は再三にわたり虚偽の主張を展開した。一方クリントン氏は、自身のウェブサイトを訪れて事実確認するよう視聴者に呼びかけた。

トランプ氏は税金政策をめぐりクリントン氏を攻撃。全国民に対し増税することを提案しているとして批判した。ただクリントン氏は、増税の対象となるのは富裕層だけだとしている。

トランプ氏また、元ミス・ユニバースのアリカ・マチャドさんの実際には存在しないセックステープを探すよう呼びかけたことを否定したり、自分はイラク戦争に反対していたと述べるなど、事実と異なる主張を展開した。

オバマ大統領が米国で生まれたことを疑問視する「バーサー運動」を5年にわたり主導したのはトランプ氏であるにもかかわらず、この論争を始めたのはクリントン氏だとする批判も展開した。

トランプ氏の支持者は同氏の主張を言葉通りには受け止めていない。トランプ氏は手の内を明かさないことが賢い交渉者になるのに役立つと自認している。事実の確認は同氏には何の意味もない。

7.トランプ氏は「出血」を止められたか?

今回の討論会でトランプ氏に課されていた主な役目は、自身が大統領にふさわしい性格と気質の持ち主だと有権者に納得させることではなく、危機を食い止めることだった。

討論会に先立っては、副大統領候補選のマイク・ペンス氏が距離を取る姿勢をみせていたほか、大勢の連邦議会議員がトランプ氏を批判。共和党全国委員会も「トランプ氏切り」を検討していた。

CNNと調査会社ORCが討論会後に行った世論調査によると、クリントン氏が勝ったとしたのは57%、トランプ氏勝利としたのは34%と、クリントン氏に軍配が上がった。ただ、視聴者の63%はトランプ氏が予想以上の健闘を見せたと述べ、予想より悪かったと述べた人は21%にとどまった。トランプ氏の勝利とは言えないが、完全な「メルトダウン」は回避した格好だ。

トランプ氏はネバダ州ラスベガスで来週に行われる最後の討論会に望みをつなぐ必要があった。トランプ氏の今回のパフォーマンスにより支持者の勢いは高まるとみられる。これにより共和党員が離反するのは難しくなる見通しだ。トランプ氏が選挙戦を継続するための組織面での支援も引き続き保証されるだろう。

ただ、シリア情勢をめぐる見解がペンス氏と食い違っていることが露呈するなど、共和党内の分裂の兆しは依然として残っている。

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