第2回討論会から見えた7つのポイント 米大統領選

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トランプ氏はクリントン氏のメール問題を調査する特別検察官の任命を言明

トランプ氏はクリントン氏のメール問題を調査する特別検察官の任命を言明

4.トランプ氏は支持層にアピールもそれ以上届かず

トランプ氏にとって最大の問題は、既に同氏を支持していない有権者にまで自身の訴えが届かないことだ。

ヒラリー氏を収監するとの発言からビル氏を攻撃した記者会見に至るまで、既存の支持層にアピールする要素は数多くあった。ただ、トランプ氏のコメントの多くは、右派の活動家で構成される一部の有権者にしか響かないものだった。

トランプ氏はクリントン氏の私用メールサーバー問題を再三にわたり攻撃した。保守系のラジオ番組や「ブライトバート・ニュース」などのウェブサイトを視聴している忠実な支持者には格好の話題だが、フィラデルフィア州郊外に住む女性などトランプ氏が勝つために必要な有権者に与える影響は少ない。

アフリカ系米国人の感情を害するリスクも冒した。黒人男性の質問に対し、「インナーシティー」を援助する考えに言及したことで、アフリカ系米国人の住んでいる唯一の場所はインナーシティーだと示唆する形になった。

また、イスラム恐怖症について質問したイスラム教徒の女性に対しては、「イスラム教徒が入国し、何かが起ころうとしていることを知っている場合は確実に報告するようにしなければならない。憎悪行為が生じようとしていることを知っている場合は、それを報告する必要がある」と述べた。

5.クリントン氏を収監?

トランプ氏は今回、2つの秘策を用意して討論会に臨んだ。討論会前のビル氏に対する攻撃と、私用メールサーバー問題をめぐるヒラリー氏への一段と激しい攻撃だ。

トランプ氏は自身が勝利した場合、特別検察官を指名してヒラリー氏の状況を調査するよう命じる意向を明らかにした。今年の選挙戦の激しさを考慮に入れてもこれは特筆すべき場面で、米国の民主主義よりも独裁体制にふさわしい発言だった。

これに対しクリントン氏は、トランプ氏の最大の弱みである気性を攻撃しようと、「トランプ氏のような気性を持つ人物が我が国の法律の責任者でなくて良かった」と述べた。これにトランプ氏は「(責任者だったら)あなたが刑務所にいたからだろう」と切り返した。

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