水道水から危険水準の六価クロム、環境保護団体が報告 米
(CNN) 発がん性も指摘される化学物質の六価クロムが米国各地の水道水から検出されたという調査報告書を、米環境保護団体が20日に発表した。
米環境保護局(EPA)は飲料水に含まれる六価クロムの基準値を定めておらず、六価クロムの安全値や長期的な影響についても定まった見解はない。しかし独立系環境保護団体の環境ワーキンググループ(EWG)が発表した報告書では、2億1800万人が利用する水道水から検出された六価クロムについて、危険水準と位置付けた。
報告書によると、EPAの指導で各地の水道局が2013~15年に実施した検査の値を調べた結果、75%で0.03ppb(パーツ・パー・ビリオン)以上の六価クロムが検出された
約700万人が利用する水道水では、六価クロムの値がカリフォルニア州の定める上限の10ppbを超えていた。同州は全米で唯一、六価クロムの有害基準を定めている。
州ごとに見ると、オクラホマ、アリゾナ、カリフォルニアの3州は六価クロムの平均濃度が高く、カリフォルニア州が目標とする0.02ppbを上回った。
大都市ではフェニックスが最も高く、平均で目標値のほぼ400倍を検出。ヒューストンやロサンゼルス、ニューヨークも比較的高い濃度だった。
EPAは今回の報告書について直接的なコメントは避けながら、六価クロムが健康に与える影響についての調査結果を2017年に公表すると説明している。