規制・流通・発生場所――米国で多発する銃乱射、その背景は

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1件当たりの死者数は米国が6.87人、他国の平均が8.8人だった。同氏はこの数字について、米国の警察は日頃からこうした事件に対応する訓練を積んでいるからだと分析する。他国では警察の対応が遅れたり、準備不足だったりする例が目立つという。

データによると、米国内の事件の容疑者は精神疾患を抱えているケースが多かった。ただハーバード公衆衛生大学院と米ノースイースタン大学が共同で実施した別の研究によると、米国では11年から14年までの間に精神疾患の推定患者数がほとんど増えなかったのに対し、銃乱射事件の件数は3倍に急増した。

この期間は64日ごとに1件の事件が起きていたことになる。それまで29年間の平均は、200日に1件のペースにとどまっていた。一方、米国の殺人事件や銃による暴力全体の発生率は、過去20年間でかなり低下している。

銃乱射事件には伝染性があると指摘する研究者もいる。事件がいったん発生すると、その直後にも同じようなことが起きやすくなるという意味だ。ある研究によれば、こうした「模倣」効果は最初の事件の後、約13日間続くという。

米国で模倣犯が多く登場するのは他国より銃を入手しやすいからだと、ランクフォード氏は指摘する。米国内には2億7000万~3億1000万丁の銃が流通していると推定される。米国の人口は3億1900万人だから、ほぼ1人に1丁の割合だ。

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