ウクライナ、クリミア橋の基礎部分を爆破 「ロシア部隊への補給線」
(CNN) ウクライナ保安局(SBU)は3日、ロシアの占領下にあるクリミア半島とロシア本土を結ぶ橋の基礎部分を爆破したと発表した。2022年にロシアがウクライナに全面侵攻して以降、ウクライナがロシア軍の兵站(へいたん)能力の麻痺(まひ)を狙ってクリミア橋を攻撃するのは3回目。
SBUによると、車と鉄道が走るクリミア橋の水面下の橋脚部分に仕掛けた爆発物を早朝に爆発させた。計1100キログラムの爆薬が使用され、橋を支える部分が「激しく損傷」したという。数カ月かけて爆破の準備を進めたことも明らかにした。
橋は一時通行止めとなり、午後6時前に通行が再開した。損傷の程度は明らかではないものの、今回の爆破はSBUがロシアの不意を突いて、戦争の継続にはコストが伴うことを思い知らせる最新の試みだ。
SBUは1日に複数のロシア空軍基地に駐機していた爆撃機などに大胆なドローン(無人機)攻撃を行った。標的となった基地にはウクライナ国境から数千キロ離れているものも含まれる。

ウクライナ保安局が公開したクリミア橋の損壊の様子を示す画像/Security Service of Ukraine
SBUのマリューク長官は、このドローン攻撃で推定70億ドル(約1兆円)の損害を与え、ウクライナ各地を攻撃するのに使われてきたロシア軍の戦略爆撃機の34%を攻撃したと明らかにした。
マリューク氏はクリミア橋の爆破について、ロシアはウクライナ領内で戦う部隊への補給の「大動脈」として同橋を使っているため、攻撃は正当なものであることを強調した。
同橋はまた、ロシアのプーチン大統領にとってロシア本土とクリミア半島とを結び付けるという自身の目標を体現するものとして大きな意味合いがある。
クリミア橋はロシアが14年に同半島を一方的に併合した後に建設され、18年に供用が始まった。