ヒッチハイク中のロボット、頭部破壊される 善意の米横断ならず
(CNN) 単独でヒッチハイクしながら米大陸横断に挑んでいたロボット「ヒッチBOT」が、フィラデルフィアで何者かに頭部をもぎ取られて破壊され、旅の中断を強いられた。公式サイトでは「いいロボットに悪いことが起きた」と伝えている。
ヒッチBOTはカナダのマクマスター大学とライアソン大学の研究チームが制作し、これまでにカナダ、オランダ、ドイツをヒッチハイクで横断することに成功。今回は米国横断に挑戦し、2週間前にボストンを出発していた。
ボストンのフェンウェイパークで野球を観戦したり、ニューヨーク・マンハッタン中心部をドライブするなど最初は順調だった。フィラデルフィア近郊でも男性に拾われて車の後部座席に乗る写真が投稿されていた。
ところが3日になって、破壊されたヒッチBOTの姿が防犯カメラに映っているという情報が伝えられた。
研究者のフラウケ・ゼラー氏はCNNの取材に対して3日、「こんなトラブルは予想していなかった」「これまでヒッチBOTの面倒を見てくれた人たちの善意に甘えていた」と肩を落とした。
これまでの旅はすべて、見知らぬ人たちの善意に支えられていた。ヒッチBOTはGPS(全地球測位システム)などの機能を搭載しているものの、自力では動けず、出会った人と交流しながら助けを借りて車で運んでもらう必要がある。「ロボットは人を信頼できるか」を試すソーシャル実験の目的もあった。