高架突き破った電車、「クジラの尾」に乗り落下回避 オランダ
(CNN) オランダのロッテルダム近郊で2日、操車場に入ろうとした地下鉄が高架の先端の車止めに突っ込む事故があった。車止めを突き抜けた車両は、クジラの尾の彫刻に乗り上げて、奇跡的に転落を免れていた。
地下鉄運行会社RETによると、事故を起こした車両は現地時間の午後0時半ごろ、ロッテルダム近郊のデ・アッケルス駅の高架上で車止めに突っ込んだ。乗務員は無事に車両から脱出した。
デ・アッケルス駅はロッテルダムを走る地下鉄の終点駅。列車は駅で乗客を降ろした後操車場に入っていき、そのまま車止めに突っ込んだ。車両がクジラの尾の彫刻に乗っていなければ、約10メートル下の地面に転落していたところだった。
電車は高架の車止めを突き破った/Jeffrey Groeneweg/ANP/AFP/Getty Images
この彫刻は建築家のマーテン・スタイスさんが約20年前に制作した。スタイスさんはCNNの取材に対し、「驚いた。こんなことは予想していなかった」と話している。
線路はもともと公園だった場所の高架上に敷設されていた。クジラの尾の彫刻は、公園のスペースが失われる代替がほしいという地元住民の要望で設置されたものだった。
彫刻は樹脂製で、今回の事故で損傷していた可能性もある。「だがそうはならなかったらしい」とスタイスさんは言う。
クジラの尾に乗った車両は高さ約10メートルの地点にある/Robin Utrecht/ANP/AFP/Getty Images
地元当局者によると、クジラの尾に乗った車両は高さ約10メートルの地点にあり、近くには池がある。重機のクレーンを配置するのは難しい状況。回収のメドはたたないが、まずは強風にあおられて列車が落下しないように安定させる作業を進める方針。