クック船長の航海記念イベント、先住民団体が入港禁止 NZ

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クック船長の乗った帆船のレプリカが入港するイベントにNZの先住民団体が反発/SAEED KHAN/AFP/Getty Images

クック船長の乗った帆船のレプリカが入港するイベントにNZの先住民団体が反発/SAEED KHAN/AFP/Getty Images

(CNN) 18世紀の英国人探検家ジェームズ・クック船長とニュージーランド先住民の出会いを記念して国が10月に計画しているイベントをめぐり、先住民マオリの団体が、クック船長の「エンデバー号」を模した船の入港を禁止すると表明した。

ニュージーランド文化遺産省が主催する記念イベント「Tuia(Encounters)250」では、エンデバーを再現した模造船の船団がニュージーランド1周の航海を予定している。

しかしこの計画について、マオリの団体の1つは、自分たちの土地に同船を入港させる計画について政府から相談はなかったと語った。

同団体の代表は、「クックが我々の土地にやって来たことはない」「『再訪』は作り話だ」と強調。クックは「野蛮人だった」と語り、「行く先々で殺人や誘拐やレイプがあり、先住民に多大な苦難をもたらした」と述べ、Tuia250のイベントについては「侵略の現実を覆い隠すために、『遭遇』『出会い』といった遠回しな表現を使っている」と批判した。

豪シドニーのハイド・パークに立つクック船長の像/AFP Contributor/AFP/Getty Images
豪シドニーのハイド・パークに立つクック船長の像/AFP Contributor/AFP/Getty Images

クックは18世紀に太平洋を航海した英国の探検家で、ニュージーランドなどかつて英国の領土だった多くの国とつながりがある。

だがクックの行動や、その航海に伴う残忍な帝国主義と植民地主義に対して先住民団体は長きにわたり反発、近年では批判的な見方も広がっている。

CNN系列局のRNZの報道によると、周辺地域の先住民団体も相次いで、船団の歓迎行事は開かないと表明した。

文化遺産省最高責任者のタムシン・エバンズ氏はRNZに対し、「一部コミュニティーに今も強く残る痛みについては十分に認識している。私たちの仕事は本を開き、歴史のすべてに皆で目を向け、それについて語り始めてもらうことだ」とコメントしている。

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