砂浜に出現する謎の巨大模様、作者が込めた思いとは 英国 

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完成後、波が模様を少しずつ消していく様子を眺めるまでが制作のプロセスだという/Courtesy Marc Treanor

完成後、波が模様を少しずつ消していく様子を眺めるまでが制作のプロセスだという/Courtesy Marc Treanor

そして模様が完成したら、いよいよ最も楽しい第3段階に入る。

「この第3段階は黙想にふける時間でもあるので、理想としてはよく見える場所があり、模様の制作に関わったすべての人が崖の上に上って、砂浜を見下ろし、模様が海に吸い込まれていく様子を眺める」(トレーナー氏)

人とのふれあい

トレーナー氏にとって最も印象深い作品の1つが、2015年の英総選挙の日に制作した作品だ。

ある時、トレーナー氏と友人が複雑な模様の制作に悪戦苦闘していると、見知らぬ人が協力を申し出た。3人は熊手で模様を描きながら会話を始めた。するとその人物は、自分の仕事は爆弾作りだと打ち明けた。トレーナー氏はその人物に対し批判的な感情を隠せなかったが、3人は協力して砂上の芸術作品を作り上げた。

そして3人は遊歩道に上り、作品を見下ろした。すると、その人物はいたく感動していたという。

トレーナー氏と友人はその人物を残し、2人で夕食に出かけた。そして約1時間半後に戻ると、その人物はまだそこにいて、ほとんど消えかかっていた模様をじっと見つめていたという。その姿を見たトレーナー氏は、友人を見て「彼の爆弾作りの日々は終わるだろう」と話したという。

このような予想もしなかった出会いや、思いもよらない(人と人との)つながりこそが、トレーナー氏の作品作りの特徴だ。孤独な作業と思われがちだが、実際は全くそんなことはない。

たしかに、他人は自分の思い通りに動いてくれないため、自分たちだけで描いた方がはるかに楽かもしれない。しかし、トレーナー氏は他の人に手伝ってもらった方がより大きな充実感が味わえるという。

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