チャットGPT手掛ける米オープンAI、アルトマンCEOを解任
(CNN) 対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を手掛ける米オープンAIは17日、創業者のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)を解任した。突然の退任に、新興のAI業界では衝撃が広がっている。
オープンAIは声明で、内部調査の結果、アルトマン氏が取締役会に対して必ずしも誠実ではなかったことが判明したと明らかにした。
声明ではアルトマン氏の退任について、「取締役会による慎重な検討プロセスを経たものだ。検討の結果、アルトマン氏は取締役会との意思疎通において必ずしも率直ではなく、取締役会の責務遂行能力の妨げになっていると結論付けた」と説明。「取締役会はもはやオープンAIのかじ取りを続ける彼の能力に信頼を置いていない」と述べた。
常任の後任CEOが選出されるまで、ミラ・ムラティ最高技術責任者(CTO)が暫定CEOを務めるという。
この発表の後、アルトマン氏はX(旧ツイッター)に「オープンAIで過ごす時間が大好きだった」とつづった。
「私個人を変えてくれたし、望むらくは世界を少しばかり変革したことを願う。何より、才能あふれる人たちと一緒に仕事をするのが大好きだった」とも述べ、次の動きについては今後詳しく説明するとした。
米サンフランシスコでは先週、オープンAIの初の開発者会議が開かれ、司会を務めたアルトマン氏は、チャットGPTを開発者がカスタマイズできる機能などを発表していた。
チャットGPTが昨年暮れに発表されると、アルトマン氏は一夜にして半ば有名人となり、利用者の簡単な入力に対して画像や文章を生成できる新世代のAIツールを象徴する顔になった。この技術は「生成AI」と呼ばれ、マイクロソフトの検索エンジンなどに投入されている。グーグルも「Bard」と呼ばれる競合ツールを持つほか、最近では他のAIツールの開発も進んでいる。