ビンラディン容疑者に共感する米国の若者、ティックトックに相次ぎ動画投稿

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国際テロ組織アルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者/Stringer/AFP/Getty Images

国際テロ組織アルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者/Stringer/AFP/Getty Images

(CNN) 9・11米同時多発テロの首謀者とされるオサマ・ビンラディン容疑者に共感を示す動画を、米国の若者が相次いでティックトックに投稿している。20年前のビンラディン容疑者の書簡は、米政府のイスラエル支持を批判する内容が記されていた。

問題の書簡は米国の民間人殺害を正当化しようとする目的で、2002年に公表された。この書簡が数日前からSNSで拡散し、このトピックの動画は16日までに1400万回以上再生されている。動画の多くはビンラディン容疑者の主張の一部を支持してこの手紙を読むようユーザーに促しており、イスラム勢力ハマスとの戦闘に関連した米国のイスラエル支持に対する批判を背景として共有されていた。

ティクトックは16日、ビンラディン書簡を広めようとする動画について、「いかなる形態のテロ支援」も禁止するとした規定に違反すると説明した。書簡を宣伝する動画は「少数」で、ティクトックのトレンドに浮上したという情報は「不正確」だとしている。

ティクトックは米国の若者に絶大な人気があり、30代未満の若者の大半が少なくとも週に1回は使っているとの調査結果もある。ティクトックユーザーは、3000人近くが死亡した01年9月11日の米同時多発テロ後に生まれた世代が多数を占める。首謀者とされるビンラディン容疑者は国際テロ組織アルカイダの元指導者で、米特殊部隊が11年に殺害した。

CNNの調査では、「アメリカへの手紙」と題したビンラディン書簡の内容を過度に賞賛したり共感したりする動画が数十本見つかった。

そうした動画の多くは「#lettertoamerica」のハッシュタグで共有され、再生数は16日までに1400万回を超えた。ただ、中にはこの書簡やそれを賞賛するユーザーがいることに対して苛立ちや嫌悪感を示す動画もあった。

160万回以上再生された動画では、ニューヨーク在住のライフスタイルインフルエンサーが書簡を読むようユーザーに促し、「もしあなたがこれを読み、今この瞬間に存在の危機を感じているなら教えてください。なぜならこの20分で、私が信じて生きてきた全人生に対する見方が変わってしまったのです」と語っていた。この動画は後に削除された。

ティックトックで10万回以上再生された別の動画では、以前から米政府批判を繰り返していたユーザーが、「もしもオサマ・ビンラディンをテロリストと呼ぶのなら、米政府もそうだ」とコメントしている。

この現象についてホワイトハウスのアンドルー・ベイツ報道官は、「アルカイダ指導者が米史上最悪のテロ攻撃を実行した直後に出した、忌まわしく邪悪で反ユダヤ的なうそを拡散させることは、決して正当化できない」とコメントした。

ベイツ報道官はさらに、「オサマ・ビンラディンの卑劣な言葉と関連付けることによって、米国人2977人の死を今もいたんでいる遺族を侮辱することがあってはならない」と強調。「特に今は、反ユダヤの暴力が世界中で台頭し、ハマスのテロ集団がホロコースト(ユダヤ人大虐殺)以来最悪のユダヤ人虐殺を、同じ陰謀論の名のもとに実行した直後だ」と述べた。

ビンラディン書簡は米国の外交政策を広く批判する内容で、特に米国のイスラエル支援について「ユダヤ人がパレスチナに対する歴史的権利を有するというでっち上げのうそを、あなた方がまだ飽きることなく繰り返しているのを見て、我々は笑いと涙が止まらない」と記されていた。

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