スポティファイ、番組に注意書き付与へ 新型コロナ偽情報めぐり批判受け
ニューヨーク(CNN Business) 音楽配信のスポティファイは30日、新型コロナウイルス関連のコンテンツに対する批判に応じ、今後は関連の話題が含まれる全番組に注意書きを付け加えると表明した。この注意書きを通じて信頼できる情報へリスナーを誘導するとしている。
スポティファイに対しては、新型コロナやワクチンに関して誤解を招く情報や不正確な情報を流すコメディアンのジョー・ローガンさんの番組を配信し続けているとして、ニール・ヤングさんやジョニ・ミッチェルさんなどの有名アーティストが相次ぎ撤退を通告している。
スポティファイはさらに、社内で策定した「プラットフォーム・ルール」を初めて公開すると表明。創業者のダニエル・エク最高経営責任者(CEO)はこれについて「我々と独占契約を結んだクリエーターから、複数のサービスをまたがって活動するクリエーターまで、全てのクリエーターを導くルール」と位置付けた。
新型コロナに関して偽情報を拡散させているとされる番組「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」は、スポティファイが独占配信している。
エクCEOは「我々がバランスを保ち、この前例のない時代の中で我々を導いてくれる医学界や科学界から広く受け入れられている情報の提供に力を入れる責任があることがはっきりした」と強調した。
スポティファイに対して自分の楽曲の削除を要求するミュージシャンやパーソナリティーは増え続けている。
ブルース・スプリングスティーンさんのバンドのメンバーだったニルス・ロフグレンさんも、スポティファイから自分の楽曲を引き揚げると発表。医療従事者を支持するため、全てのミュージシャンやアーティスト、音楽愛好家にスポティファイとの関係を断ち切るよう呼びかけた。
英国のヘンリー王子とメーガン妃が設立したアーチウェル財団も、夫妻が新型コロナの偽情報をめぐってスポティファイに懸念を示していることを明らかにした。
問題の番組「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」は現在、米国と英国のスポティファイで筆頭の人気を誇る。
エクCEOは、自分が同意できない人物や見解がスポティファイにはたくさんあると述べ、「私にとって大切なのは、コンテンツ検閲の立場を取らず、それでもルールを徹底させ、それを破った者には責任を取らせることだ」と述べている。