U2メンバー、ガザの惨状めぐり声明 「共通の人間性が試されている」
(CNN) アイルランド出身のロックバンド「U2」のメンバー4人が、パレスチナ自治区ガザ地区の紛争をめぐって声を上げている。
U2のボノ、ジ・エッジ、アダム・クレイトン、ラリー・マレン・ジュニアは公式サイトに掲載した声明で、2023年10月7日に起きたイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃を非難。「ガザで今起きていることには誰もが戦慄(せんりつ)を覚えていた。だが人道支援の阻止、そして軍がガザを占領するという新たな計画で、この衝突は未知の領域に入った」と述べている。
ボノ個人の声明では、イスラエルの音楽フェスティバルが襲撃された10月7日の事件に衝撃を受けたと振り返りながら、「ガザ地区で飢える子どもたちの姿」に深い悲しみを感じると心情を吐露。「非戦闘員、中でも子どもたちが大量に命を落としている状況は、あまりにも計算ずくに思える。この場合の『悪』という形容詞は誇張ではない。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典においても、悪には抵抗しなければならない」と訴えた。
その上で「ずっとイスラエルの存在権を信じ、2国家解決を支持してきた者として、私たちのバンドが(イスラエルのベンヤミン・)ネタニヤフ首相の不道徳な行為を非難していることをはっきりさせたい。そして、双方の敵対行為の停止を訴えるすべての人々に加わってほしい」と呼びかけた。
ジ・エッジは「私たち全員が、ガザで続く苦しみに強い衝撃と深い悲しみを感じている」「私たちが目の当たりにしているのは遠い場所の悲劇ではない。私たちに共通する人間性が試されている」と述べ、「私たちはアイルランドの経験から、支配を通じて平和が実現できないことを知っている」「平和は、敵対する相手と共に座り、かつて恐れたり軽蔑したりしていた相手であっても、全ての人が平等な尊厳を持っていることを認める時にに築かれる」と訴えている。