アフリカ、若きチェス指導者たちの情熱 次代のグランドマスター育てる
ウガンダでは、フィオナ・ムテシさんが、9歳だった05年にカトゥエのスラム街のチェスクラブに入門し、チェスの才能に目覚めた。
その後、ムテシさんはウガンダの国内チャンピオンになり、ウガンダ代表として複数の国際トーナメントに出場した。12年に本が出版され、16年にはディズニーが映画化した「奇跡のチェックメイト クイーン・オブ・カトゥエ」の主人公のモデルとなったムテシさんは、12年のCNNとのインタビューで「チェスが希望を与えてくれた」と語った。
ケニアのチェス指導者ジェームズ・カンガル氏(28)は、地元のコミュニティーの人々や学校の子どもたちにもムテシさんのように希望を持ってもらいたいと考えている。
カンガル氏は高校でチェスを始め、大学卒業後に指導者になった。15年に、コミュニティーに出向いて小さな子どもたちにチェスの遊び方を教えるプログラム「エピトミ・スクール・オブ・チェス」を立ち上げた。
カンガル氏は、18年にチェスの世界的統括団体、国際チェス連盟(FIDE)から世界で最も優れた指導者の1人に認定され、アフリカで最も若いFIDE公認インストラクターとなった。
カンガル氏は、中国、米国、インドなどの国々は、チェスの世界チャンピオンを数多く輩出することにより、チェスを通じて世界に影響を与えていると指摘する。
カンガル氏やオナコヤ氏のような指導者たちの努力により、チェスはアフリカ中で成長し続け、その過程で子どもたちにさまざまな機会を提供している。
オナコヤ氏は「自分がチェス・イン・スラムズの活動に込める最大の願いは、貧しいコミュニティーの子どもたちが、住んでいるコミュニティーによって判断されることのない未来を作り出すことだ」と述べ、さらに「(自分の目標は)子どもたちが自分の真の可能性を発見する手助けをすることだ」と付け加えた。