大坂選手の失敗、テニス界のメンタルヘルス対応の不十分さ浮き彫りに

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全仏オープンに参加する大坂なおみ=5月30日/Ciol/Abaca/Sipa USA/AP

全仏オープンに参加する大坂なおみ=5月30日/Ciol/Abaca/Sipa USA/AP

コロナ時代の競技

テニスはプロスポーツの中でいち早く、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)の影から脱した。

ただ、ドイツ・フランクフルト近郊のテニススクールを共同所有するロドニー・ラプソン氏によると、足元では経済面を中心により切迫した問題があり、心の健康は「ツアーの上位の課題には全く入っていない」という。

一方、コロナ対策の行動制限は、各地を転戦するプロテニス選手のストレスを悪化させた。選手たちはコートに出る前から、検査や渡航制限、隔離、ソーシャルバブル(社会的接触の制限)といった終わりの見えない対策の数々を順守する必要がある。こう指摘するのは、ポーランドのイガ・シフィオンテク選手を担当するスポーツ心理学者、ダリア・アブラモビッチ氏だ。

同氏は「これほど多くの引退や大会棄権、けが、緊張」を見たことがないと付け加え、「コロナの影響」だと指摘した。

アブラモビッチ氏は、大坂選手の棄権が状況を一変させ、スポーツ界の心の健康に関する議論につながればと期待を口にする。

「アスリートは一種の剣闘士、一種の英雄だというステレオタイプがある」「彼らなら負担がかかっても平気だ、と。そのせいでアスリートは『無理』と言うのがほぼ不可能になってしまう」

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