性的暴行罪のコスビー被告に禁錮3~10年の刑
(CNN) 米ペンシルベニア州の裁判所は25日、14年前の性的暴行で有罪の評決を受けていた著名コメディアンのビル・コスビー被告(81)に対し、禁錮3~10年の刑を言い渡した。
コスビー被告はその場で保釈を取り消され、手錠をかけられて郡の収監施設へ連行された。被告の身柄はこの後、州の刑務所へ移される見通しだ。
裁判所の判事は被告に対し、「これは重大な犯罪。全てあなたの自業自得だ」と述べた。
コスビー被告は、2004年に同州フィラデルフィア郊外の自宅で母校テンプル大学の職員だったアンドレア・コンスタンドさんに薬を飲ませ、性的暴行を加えたとして、今年4月に有罪の評決を受けていた。
禁錮刑に加えて2万5000ドル(約280万円)の罰金と、裁判にかかった費用を支払うよう言い渡された。被告はさらに、性犯罪者として生涯にわたり登録され、専門家のカウンセリングや地域社会への居住通知が義務付けられる。
コンスタンドさんは05年に被害を警察に通報したが起訴には至らず、民事裁判で被告との和解に応じた。しかし近年、数十人の女性がコスビー被告による同様の被害を主張。この中で唯一、時効が成立していなかったコンスタンドさんの訴えが改めて立件され、被告は15年に逮捕された。
最初の裁判では陪審の意見が割れ、評決不能が宣言されたが、4月に改めて有罪の評決が下った。
検察は被告に反省がみられないとして10年を求刑。弁護側は高齢などを理由に自宅監禁を主張していた。
量刑には、被害を申し出ていた女性らや人権団体から歓迎の声が上がった。一方、被告の報道担当者は「米史上で最悪の人種差別的、性差別的な裁判だ」と反発を示した。