巨大ロケットを「箸」でキャッチ、スペースXの飛行実験成功
(CNN) 米宇宙企業スペースXは13日、史上最大のロケット「スーパーヘビー」と宇宙船「スターシップ」の飛行実験に成功した。いずれ月や火星への有人飛行に使うことを想定している。
無人のスターシップを搭載したスーパーヘビーは現地時間の13日午前8時25分、テキサス州のボカチカにあるスペースXの施設から打ち上げられた。
今回は初めて、全長71メートルのロケットを巨大な着陸台で回収する実験に挑戦した。燃料をほぼ使い果たしたスーパーヘビーは上空でスターシップを切り離すと地上に向けて降下。スペースXが「チョップスティックス(箸)」と呼ぶ2本の巨大な金属でスーパーヘビーをはさんで空中でキャッチすることに成功した。
一方、スターシップは搭載のエンジン6基を使って飛行を続け、インド洋上空で着陸操作を行った。スペースXはスターシップの回収は予定していない。
スーパーヘビーとスターシップは将来的に有人飛行に使うことを想定している。宇宙船を地球の軌道に乗せて宇宙へ送り込む時間を大幅に短縮してコストを削減するというスペースXの目標を達成するためには、ロケットをすぐに再利用できることが不可欠とされる。
米航空宇宙局(NASA)が2026年に予定している「アルテミス計画」では、スターシップに宇宙飛行士を乗せて月に送り込む計画で、スペースXは米政府と約40億ドル(約6000億円)規模の契約を交わしている。スペースXは人類初の火星着陸を目指す計画でもスターシップの採用を目指す。