「アルテミス計画」のロケット打ち上げ NASAの月探査、歴史的前進

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「アルテミス計画」のロケット打ち上げ

(CNN) 人類の月面着陸を目指す「アルテミス計画」の第1弾として、アルテミス1号が16日未明に打ち上げられた。今回のミッションでは無人の宇宙船が月を周回し、50年ぶりとなる月面有人着陸に道筋を付ける。

高さ98メートルのロケット「SLS」は米東部時間午前1時47分、エンジンが点火された。900万ポンド(4100トン)の推力を発揮してフロリダ州の打ち上げ台から飛び立ち、夜空に明るい航跡を残した。

宇宙空間に到達した後、ロケットの先端に搭載された宇宙船「オリオン」が分離された。オリオンは人間を乗せることを想定して設計されているが、今回の試験ミッションに搭乗するのは無生物のみ。マネキン数体が積載され、将来の有人飛行に役立つ貴重なデータを収集する。

オリオン宇宙船を載せたSLSロケットが打ち上げ成功=16日未明、フロリダ州ケープカナベラル/Joe Skipper/Reuters
オリオン宇宙船を載せたSLSロケットが打ち上げ成功=16日未明、フロリダ州ケープカナベラル/Joe Skipper/Reuters

SLSロケットは数百万ポンドの燃料を消費した後に分離を開始する。その後オリオンは大型エンジン1基のみで上昇し、2回の強力な燃焼で月に向けた正しい軌道に機体をのせる。発射から約2時間後にはこのエンジンも分離し、オリオンは自由飛行の状態で残りの航路を進む。

米航空宇宙局(NASA)によると、オリオンの飛行距離は約200万キロに上る見通しで、有人飛行用に設計された他のどの宇宙船よりも遠くまで飛行することになる。月を周回した後、約25日半をかけて地球に帰還し、12月11日に米カリフォルニア州サンディエゴ沖の太平洋に着水する。

ミッションの間、NASAの技術者はオリオンの性能を注視する。オリオンが意図した通りの性能を発揮するか、2024年に予定される月軌道への有人ミッションに使用できるかどうかを見極める方針だ。

16日朝の打ち上げに至る過程では、ロケットの技術的な問題や発射場を襲った2度のハリケーンなど、数々の後退に見舞われた。以前の打ち上げはSLSロケットの燃料となる超低温液体水素の漏れが主な要因で、中止に追い込まれていた。

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