絶滅した巨大ザメ「メガロドン」、ホホジロザメとの競争に敗北か 歯の化石を調査

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実験室でサメの歯から亜鉛を分離させる筆頭著者のジェレミー・マコーマック氏/MPI for Evolutionary Anthropology

実験室でサメの歯から亜鉛を分離させる筆頭著者のジェレミー・マコーマック氏/MPI for Evolutionary Anthropology

亜鉛は生物にとって不可欠であり、骨の発達において重要な役割を果たす。歯に含まれる亜鉛の重い同位体と軽い同位体の比率には、それぞれのサメが食べていた動物性物質の種類が記録されている。

論文共著者で米ウィリアム・パターソン大学環境科学部の教授を務めるマイケル・グリフィス氏は「食物連鎖の上に行くほど2つの同位体の比率が変わるため、亜鉛の同位体は生態系の指標として使うことできる」と指摘する。

例えば、仮にメガロドンがホホジロザメを食べていた場合、食物連鎖における上位の位置が同位体の記録に反映されるとみられる。だが、今回の研究では2つのサメの間で一部重複がみられ、両種が同じような獲物を食べていたことが示唆されている。

同じ栄養段階での摂食は、メガロドンとホホジロザメが同一の獲物をめぐって直接の競争関係にあったことを必ずしも意味しない。両種がそれぞれ異なる獲物に特化していた可能性もあるためだ。ただ、少なくとも一部の餌が重複していた可能性は高いという。

グリフィス氏は「今日と同様、ホホジロザメは大型魚を食べていた可能性が高い。体がより小さいホホジロザメはメガロドンほど大量の食物を必要としなかった可能性が高く、同様の獲物を餌にしていた場合、ホホジロザメに競争上の優位性があったとみられる」と指摘している。

研究結果は5月31日の科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。

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