史上最も遠い恒星を観測、今は地球から280億光年の距離

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地球により近い銀河が拡大鏡のように機能して遠くの恒星を観測できることを表したイメージ図/L. Hustak

地球により近い銀河が拡大鏡のように機能して遠くの恒星を観測できることを表したイメージ図/L. Hustak

今回の発見では銀河の巨大な集団が重力レンズの役割を果たし、エアレンデルの光を数千倍に強めてくれた。この現象とハッブル望遠鏡による9時間の観察、天文学者の国際チームがあわさって発見につながった。

これが近接した2つの星でなく、単一の星であることを確かめるため、研究チームは最近打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡も使ってエアレンデルを観測する予定。これにより星の温度や質量、化学組成が判明する可能性がある。

エアレンダルがある小さな領域を示した画像。増幅率は数千倍/NASA/ESA/Brian Welch (JHU)/Dan Coe (STScI)/Peter Laursen (DAWN)
エアレンダルがある小さな領域を示した画像。増幅率は数千倍/NASA/ESA/Brian Welch (JHU)/Dan Coe (STScI)/Peter Laursen (DAWN)

この星が形成された時期は重元素で満ちる前の初期の宇宙のため、研究者はその組成を詳しく知りたいと考えている。ジェームズ・ウェッブ望遠鏡での観測で、この星が主に原始的な水素とヘリウムからできているとわかる可能性もある。

エアレンデルは、宇宙の初期の様子を解明する手がかりになる可能性があると研究チームは期待する。

宇宙で最も早い世代の恒星が初めて見つかった可能性もあると研究者は指摘。米ジョンズ・ホプキンス大学のブライアン・ウェルチ氏は、「エアレンデルを調べれば、私たちが知らなかった時代の宇宙の様子を探ることができるかもしれない」と話している。

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