黒人の胎児を描いた医学イラストが拡散、書籍に掲載される運びに

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ナイジェリア人イラストレーターのチディーベレ・イベさんが描いた黒人の胎児の絵。昨年12月に拡散した/Chidiebere Ibe
写真特集:黒人の医学イラストが話題に、多様性欠如に光

ナイジェリア人イラストレーターのチディーベレ・イベさんが描いた黒人の胎児の絵。昨年12月に拡散した/Chidiebere Ibe

(CNN) 昨年12月、子宮内の黒人胎児の姿を描いたイラストが拡散し、SNSでは多くの人が「黒い肌の胎児や妊婦の描写を見たのは初めて」というコメントを寄せた。

イラストを作成したのは、ナイジェリア人の1年目の医学生チディーベレ・イベさん(25)。これほどの注目度は驚きだったといい、今回の絵は「医学イラストの多様性を提唱するために私が描いた絵の一つに過ぎない」と話す。

この絵がきっかけとなり、医学イラストにおける多様性の表現の欠如について議論が巻き起こった。こうした絵は通常、病態や処置方法を示す目的で教科書や科学誌に掲載される。

イベさんは「未来のアフリカ人神経外科医協会」のクリエイティブ・ディレクターを務める。このたび、各種の症状が黒い肌の上でどのように見えるかを示したハンドブックの第2版にイラストの一部を掲載する招待を受けた。

同書は2020年に初版が刊行された。共著者を務めたロンドンの医学生、マローン・ムクウェンデさんはイベさんのイラストについて「医学の世界に平然と存在していて、私たちが気付いていないかもしれない偏見の一部を明るみに出した。私たちの頭の中で無意識の偏見が育たないようにするには、医療における多様性の表現が欠かせない」と指摘する。

イベさんはナイジェリアで化学の学位を取得し、現在はウクライナで医学を学ぶ。医学イラストは20年に描き始めたばかりだが、すでに人体構造に加え、皮膚疾患の白斑や口唇(こうしん)ヘルペス、胸部感染症、脊椎(せきつい)損傷などの症状を描いたイラストを制作した。描かれているのはいずれも黒人だ。

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