パンデミック下の超過死亡、人種に大きな偏り 米研究

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飲料水や食料を家族に届ける先住民のボランティア=2020年5月、米アリゾナ州/Mark Ralston/AFP/Getty Images

飲料水や食料を家族に届ける先住民のボランティア=2020年5月、米アリゾナ州/Mark Ralston/AFP/Getty Images

(CNN) 米国で新型コロナウイルス感染が拡大した昨年3~12月の死者が黒人や先住民、中南米系に大きく偏っていたことが、平年と比べて死者がどのくらい多かったかを示す「超過死亡」のデータから明らかになった。米国立がん研究所(NCI)主導の研究チームが、米内科の機関誌「AIM」に発表した。

研究チームは米疾病対策センター(CDC)による死亡診断書のデータと米国勢調査局の人口推計に基づき、人種や民族、性別、年齢と死因別の超過死亡者数を2019年の同じ時期と比較した。

発表によると、昨年3~12月に米国内で報告された死者は推計288万人。超過死亡者は47万7200人で、このうち74%の死因が新型コロナ感染だった。

年齢調整後の10万人あたりの超過死亡は、黒人と先住民、中南米系の男女が白人、アジア人男女の2倍を超えていた。

新型コロナ感染以外による10万人あたりの超過死亡は、黒人と先住民のグループで白人の3~4倍、中南米系で2倍近くに及んだ。届け出上の死因には糖尿病、心臓病、脳卒中、アルツハイマー病などが含まれる。

チームを率いたNCIの研究者は、パンデミック下での受診が不安で見送ったケースと、新型コロナ感染で死亡したが届け出が間違っていたケースが大半を占めるとの見方を示した。

同研究者は、新型コロナの死者数だけに注目すればパンデミックによる真の影響を過小評価することになると指摘。新たなデータは、長年にわたる人種間の格差を浮き彫りにしていると述べた。

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