絶滅危惧のベンガルトラ、50年以内に最大級の生息地から消滅の恐れ

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スンダルバンスのベンガルトラ/Niladri Sarkar

スンダルバンスのベンガルトラ/Niladri Sarkar

(CNN) 絶滅の危機に瀕(ひん)したベンガルトラに残された最後の生息地の1つ、スンダルバンス国立公園。密猟の横行や住宅地の拡大によって生存が脅かされる中で、50年以内にこの地からベンガルトラが完全に姿を消してしまう恐れがあるという研究結果が、このほど発表された。

スンダルバンス国立公園はインドとバングラデシュの国境地帯にあり、広大なマングローブの森が広がる。野生のトラはこの100年の間に世界で95%が死に絶え、残る個体は4000頭を切った。ベンガルトラはアジアの数カ国に生息しているが、スンダルバンス国立公園の個体数は数百頭に上る。

しかし海面上昇が予想以上のペースで進んだために一部の島が水没するなどして、スンダルバンス国立公園の面積は急激に縮小しつつある。

バングラデシュ側のスンダルバンス地域では、2004~2015年の間にベンガルトラが440頭から106頭に減った。密猟がエスカレートして生息環境が悪化し、生息地が分断されて危険な状況に陥っていると、世界自然保護基金(WWF)の専門家は危機感を募らせる。

地元の大学の研究チームは、地球温暖化ガスの排出量が増え続ける中で、トラの生息に適したスンダルバンスの環境がどこまで保たれるかを予測した。

その結果、海面の上昇や異常気象、水や土壌の塩分増加によって、ベンガルトラは2070年までにスンダルバンスから完全に姿を消してしまう可能性があることが分かった。

この研究を行ったバングラデシュ・インディペンデント大学のシャリフ・ムクル氏によると、海面の上昇や降雨量の減少によって水に含まれる塩分量が増えた影響で、スンダルバンスの地名の由来となったスンダリの木は枯れ、トラが生息するマングローブの森は縮小している。

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