太陽系の彼方に新たな天体、「惑星X」存在の証拠と研究者

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太陽系外縁に存在すると仮定される「惑星X」の想像図/Roberto Molar Candanosa and Scott Sheppard/Carnegie Institution for Science

太陽系外縁に存在すると仮定される「惑星X」の想像図/Roberto Molar Candanosa and Scott Sheppard/Carnegie Institution for Science

(CNN) 国際天文学連合小惑星センターは2日、太陽系のはるか遠くに位置する新たな天体について公表した。惑星ほどの大きさはないものの、その発見は太陽系の外縁に存在するとされる「惑星X」の実在を裏付ける有力な証拠になると研究者らは指摘する。

この天体の公式の名称は「2015 TG387」。2015年のハロウィーンの季節に初めて観測されたことから「ゴブリン」のニックネームがついている。準惑星に分類され、4万年周期で太陽の周りを回る軌道をとる。現状で観測が可能なのは太陽に最接近したときのみで、4万年の公転周期の約99%はその存在を視認することができないと考えられている。

太陽からゴブリンまでの距離は、太陽と地球の間の2000倍以上。現在は太陽ー冥王星間の2.5倍以上のところに位置する。研究者らはハワイのマウナケア山山頂にある日本のすばる望遠鏡でゴブリンの存在を最初に突き止めたが、その移動速度の遅さから軌道などの観測には数年を要した。

ゴブリンは太陽系の他の惑星からあまりに遠く離れているため、これらの惑星の重力に影響を受けることはない。しかしその動きを分析すると、別の巨大な惑星の重力に「導かれている」ような特徴が確認できるという。

ゴブリンの観測チームに参加する米カーネギー研究所の天文学者、スコット・シェパード氏は、ゴブリンの発見によって太陽系外縁に「惑星X」が実在する確率は9割近くにまで高まったとみている。

チームはゴブリン以外にも12年以降、太陽系外縁で複数の天体を観測している。シェパード氏は「これらの天体をより詳しく研究することで、太陽系の外縁部とそこに存在するかもしれない惑星への理解が深まる。その惑星がこうした天体の軌道を決定づけているはずだ」と語った。

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