タイセイヨウセミクジラ、絶滅危機深まる 年初から個体増えず

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今冬の出産シーズンには1頭の誕生も確認できなかったという

今冬の出産シーズンには1頭の誕生も確認できなかったという

(CNN) 絶滅の危機に瀕しているタイセイヨウセミクジラについて、今冬の出産シーズンに1頭の個体も生まれていないとみられることが28日までに分かった。一方で死亡して浜に打ち上げられる個体の数は増えており、種の存続がいよいよ危ぶまれる事態となっている。

4カ月間続くタイセイヨウセミクジラの冬の出産シーズンは今月で終わりを迎える。しかし、出産が行われる米フロリダ州、ジョージア州の沖合では、生まれたばかりのクジラの姿が全く確認できないと研究者らは指摘する。

米海洋漁業局でタイセイヨウセミクジラの保護に取り組むバーブ・ズーズマ氏はCNNの取材に答え、通常であれば母クジラと子クジラが当該の海域に4月半ばごろまでとどまっていると説明した。

海洋漁業局によると、現在生息するタイセイヨウセミクジラはわずか450頭ほどを残すのみとなっている。

ジョージア州の天然資源省は昨年、大西洋岸に死がいとなって打ち上げられるタイセイヨウセミクジラの数が17頭に急増したと発表した。新たな子クジラが生まれないなかでの死亡数の増加は、個体数の維持が困難な状況にあることを意味する。

過去には、1頭しか出産が確認できなかったシーズンの翌年に31頭が見つかったケースもある。しかし今回もそうした反動が期待できるかどうかは不透明だ。研究者らは、北大西洋に生息する繁殖期のメスの数は100頭に満たないと推計する。

タイセイヨウセミクジラは1970年から絶滅危惧種に指定されている。19世紀末には商業捕鯨のため絶滅寸前まで追い込まれた。現在の死因は釣り糸にからまったり、船舶に衝突したりする事例が多くを占める。

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