パンダの繁殖技術に進展、赤ちゃん14頭が成長 中国
成都(CNN) 青いビニールの作業服を着た研究員は、写真を撮ろうとして苦戦していた。三脚にカメラを据えるたび、赤ちゃんパンダの「ムームー」が駆け寄って来て邪魔をする。中国四川省成都にある成都パンダ繁殖育成研究基地。生後4カ月のメス、ムームーをはじめ、この夏に生まれたジャイアントパンダの赤ちゃん14頭がすくすくと成長している。
同基地では繁殖技術の進歩によって、順調にパンダの飼育数を増やしてきた。赤ちゃんパンダ舎では順番に昼寝したり遊んだりする様子が観察できる。屋外ではまだおぼつかない足取りで緩やかな傾斜を転がったり、2頭でじゃれ合ったり、木によじ登ろうとして背中からでんぐり返り状態でコロンと落ちて、見物客を楽しませる姿も。
同基地で飼育しているパンダは12年前の20頭から、今では100頭を超えた。飼育係の男性は、「パンダの排卵期を正確に見極めて、繁殖サイクル中にピンポイントで人工授精できる新技術を確立した」と説明する。
次の大きな課題は、施設で育ったパンダを野生に返すことだという。「パンダを野生に返すための訓練基地もできた」「成長して自分で餌をとったり危険から身を隠すことができるようになったら、一部のパンダを放す」という。