英、イスラエルとの貿易交渉を停止 ガザ攻撃を非難
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を続け、支援物資の搬入を阻んでいるイスラエルに対し、国際社会からの圧力が強まっている。英国は20日、イスラエルとの貿易交渉を一時停止すると発表した。
ラミー英外相はイスラエルのガザ攻撃について「道徳という見地から正当化できない」などと述べ、貿易交渉を一時停止するとともに、ヨルダン川西岸地区の入植者に制裁を科す方針を明らかにした。英外務省の発表によると、駐英イスラエル大使を呼び出して抗議も行った。
欧州連合(EU)もイスラエルが支援物資の搬入を阻んでいることを理由に、同国との関係を見直す方針を示した。EUの外相にあたるカラス外交安全保障上級代表によると、加盟国の大半が関係見直しを支持しているという。
前日には英国、フランス、カナダの首脳が共同声明で、イスラエルがこのほど開始した軍事作戦を止めず、ガザへの支援を阻み続ける場合、対象を絞った制裁など「具体的な措置」を取ると警告していた。だがイスラエルは20日、ガザでの軍事作戦を「拡大」すると宣言した。
イスラエルは今月5日からガザで新たな軍事作戦を展開しており、同国のネタニヤフ首相は19日、「ガザ全域の制圧をめざす」と明らかにした。一連の攻撃で数百人が犠牲になっており、11週間にわたって支援物資を積んだトラックがガザ入りを阻まれた。19日にトラック5台が許可されたが、当局によると、1日あたり500台分の物資が必要だという。
スターマー英首相はガザの現状は「耐え難い」と述べ、認識を共有する国々と連携を取っていることを明らかにした。
国連によると、ガザでは5人に1人が飢えに直面しており、飢餓が差し迫っている。